2021年5月16日日曜日

北の大地でABU500で釣りをしていた2020年11月20日~釣りキチ三平は永遠に~

 2020年11月20日、漫画家の矢口高雄さんがお亡くなりになった。言わずと知れた『釣りキチ三平』の作者である。

その日、北の大地で魚釣りをしていた。これは、なんという巡り合わせなのか。



その日、諸事情が重なって北海道に行くことにした。
特に、用事はない。ただ、飛行機に乗って、北海道に行くことだけが目的で。

とにかく、ふらりとドライブをする。やることはそれだけ。

11月も末になり、北海道はもう冬支度。釣りも難しいとは思うが、せっかくなので一応、道具をかかえて。



しかし、着いてみると、この時期としては信じられない20℃になろうかという暖かさ。

これはやるしかないでしょうと、ドライブの予定を変更し川へ。


ウサギやキツネの姿を見ながら、北海道に来たんだと実感。
人気のない林道をすすみ、現場へ。




冬の気配そのものの景色とは裏腹の暖かい陽気。また、風ひとつなくシーンと張りつめる静寂が本来不気味に感じそうなところだが、なぜか心が落ち着いた。

なににも、誰にも邪魔されないひとりの世界。そして自身が自然と一体化した気持ちさえした。

ぶらぶらと川を進むと、






それほど反応がいいわけでもないが、小型のブラウントラウトがぽつぽつと。






中には30cmを超えるものも。私的にはこれで十分。

リールは谷地坊主に憧れて使っているABU505改
北海道といえばABU500。
いつかはこれでイトウを釣ってみたいなあ、なんて。

釣りキチ三平の影響ありあり。

その昔、イトウを釣りたくて、北海道に住みたくて、北海道の大学を受験して、落ちたこともあったっけ。

そんなことを考えながら、あっという間に日暮れに。


あまりの静けさに、ヒグマ多発地域であること忘れてた。

夜は小さな居酒屋で、昔のこと、釣りキチ三平のこと、イトウのことに思いを馳せながらひとりで一献。

ニシン切込、イカゴロ焼きがたまらなく旨い。



「イカ、めっちゃ美味しい」と、店主に伝えると、「そう、普通だけど」という反応。仕入がとても安いらしい。


ぐっすり眠って、翌日は一転、道路脇の温度表示は2℃、峠にかかると雪まで降って、一瞬で雪景色。それでも車でぶらぶらと。





帰宅して数日後、矢口高雄さんの訃報を聞いた。
あの雪は涙雨ならぬ涙雪だったのだろうか。


この旅も釣りキチ三平が連れてきてくれたに違いない。


こんな人がたくさんたくさんいたはず。


釣りキチ三平は永遠に。










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