2019年2月12日火曜日

北海道で初の釣り② ~渓流のブラウントラウト~

少しずつ北海道のトラウトに近づき、やっとその日を迎えた。

その魚はブラウントラウトだった。



もう北海道の釣りに対して途方に暮れかかっていた時、ルアーでイワナとヤマメが釣れた

今までどうも前に進めなかった北海道の釣り。このタイミングだとばかり、勢いづいてネットで調べた、千歳にある釣具店のガイドに連絡を入れた。

電話ではなんだか割と無愛想な感じだが、かえって釣りのガイドらしくて好ましかった。
「一人でもいいですか」との問いには特に問題ないとのこと。

「何か釣らせますよ。」と

知らない人と、ヒグマの森に侵入するのはあまり気持ちの良いものではないけれど、独りよりましだ。当日はその電話とは違う方が来るらしい。

スピナーとスプーンしかないので、一番安いミノーを仕入れ、それを相変わらずキャリーバックの隅に申し訳なさそうに詰め、北海道に向かった。



時間は夜の仕事の前。午前9時に千歳駅に集合だった。夕方までには札幌に戻らなくてはならない。

純朴そうなK氏は私より数年年上だが同年輩。話しのしやすい人だった。
私が北海道で釣りをするのがひとつの夢でしたと伝えると、とても嬉しそうに、僕もワクワクしてますと言ってくれた。

談笑しながら、どんどん軽の四駆は林の林道を突き進む。本州と違い急な坂はない。行けども行けども平坦な林だ。こんなところ、間違いなくひとりでは来ることはできない。



30分ほど走っただろうか、着いたのは千歳のとある渓流。思っていた北海道の釣りとは少し違う。高低差はあまりない。川幅は数mの歩いて渡れる深さしかないが、湧水の清らかな流れだ。初めて見る景色である。

「下見をしたらいい感じだったので、存分に釣ってください。40~50cmくらいのは出る可能性ありますよ」と。

先日、デビューしたてのミッチェル308にスピナーを結ぶ。

「めちゃくちゃ渋いですねー。」と言われつつ、そんなことよりちゃんと釣りができるのか心配になってきた。

こちらの渓流ルアー歴は、たった2回。トータル2時間である。はじめて会う人の前でなんだか緊張してしまう。

狭い渓流で、倒木や枝など障害物だらけだ。
「あんな狭いところ、投げられないです。」といきなり泣き言を入れると「ここは北海道ですから、近づくだけ近づいて投げられるところに投げてみてください。」と。

はじめから木に引っかかる。「心配しないで、引っかかったら取りますから、どんどん行きましょう」いい人だ。

釣りだしてすぐに、いきなりリールの調子も悪くなり、ドライバーを持ち出し、ネジを締めなおす。ここにきて何たることか。時間が惜しい。慌てていると「この時間がいいんですよね。この準備しているときがワクワクしてたまらなく好きなんです。」と言ってくれる。なんていい人なんだ。

「ミノーの方がアピール度高いからいいかもです。」とのアドバイス。今思えば、こちらのキャストの下手さにウエイトの重いルアーの方が投げやすいと考えての一言だったに違いない。

ルアーを変え、少し落ち着いて投げられるようになると、ひゅんひゅん魚が走る。魚影は濃い。
「いますよ、いますよ、釣ってください。」
こっちも釣りたいっちゅうねん。

対岸から足元から、チェイスがすごい。どこにでも魚は隠れている。
「いますよ、いますよ。」

言われれば言われるほど、余計に焦る、というかどうものらない。で、また木に引っかかる。
「ここは北海道ですから近くから投げてください。」
あまりの下手さに呆れているだろうけれど、それを顔に出さず、お付き合いしてくれている。ほんとにいい人だ。


ミノーの釣り方が分からないので、スピナーに戻す。
すると、

チビッ子が釣れてくれました。ブラウントラウト。
嬉しいというよりホッとする。ほんとに下手ですみませんという感じ。

こちらが安堵していると、「どんどん行きましょう。」と。


その後は夢中で釣り続け、


チェイスの数はすごいのだが、釣り人の腕がなく、小さいのがぽつぽつと。
釣りに行ったのか、投げる練習に行ったのか。子供の頃の感覚を思い出し、少し様になりだしたころには終了。


釣りもやはり場数やキャストの腕も必要だと痛感しつつ、でも楽しい愉しい2時間半でした。



「これで勢いつけて、また北海道来てください。」

来ますよ来ますよ、また来ます。


北海道で初の釣りは自分の中には無かったブラウントラウト。


次は違う魚も。道具ももう少し考えないといけないなあ。投げるのも上手にならんとあかんし。
ん。北海道、何しに来たんや。こんなはずではなかったのに。あくまでも仕事なのです。


でもお仕事もしっかりやりました。気合が入っていい出来だった。(と思う。)




いやいや、良かった、好かった、佳かったよ。
ありがとう、K氏、千歳、ブラウントラウト、北海道、みんなに感謝。

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