使わなくてもと一応スーツケースに忍ばせていたロッドとリール、そして以前、なにかの時に使えたらと手に入れていたメタルジグが活躍した。
長崎県の壱岐島。
長崎とはいえ、博多からジェットフォイルで約一時間。
のんびりしたところだ。
仕事の合間もありそうと思いきや、なかなか釣りをするという時間はない。
ただ、宿泊が港から5分も離れていないところ。
前日、打ち上げでお酒を飲んでいたためか、布団が違うせいか、まだまだかなり早い時間に目が覚めた。普通ならもう一度寝直すところだが、みんなが寝静まっている間にちょっと釣り道具を持って散歩に出た。
9月の初旬、まだまだ暑い日が続いていたが、流石に島の朝は爽やかだ。
夜が明けた小さな港はシーンと静まり返っていた。この空間を独り占めしている感じは大阪では味わえない。
海面を見ると小さな魚たちが泳いでいる。
折角なので新品のメタルジグを取り出し、結んでみた。
釣り方もよくわからないが、足元に落としてみると、わらわらと小さな魚たちが湧いてくる。
ピュアな魚たちがたくさんいるのだろう。
その中のちいさなフグが針にかかってしまった。
これで坊主は逃れたな、と苦笑いをしながら針を外してやる。
そのまま足元を探りながら歩いていくと、いきなり底から黒い影。何かと思ったとたん、ラインが走った。
えっ、ほんまになんか釣れたのか。
なんとかいなしているうちに姿をあらわした。結構重たい。水面からは3~4mある。当然ネットもなにもない。えーいと抜き上げたら30cmは超えている。ハタの仲間に違いないが、名前もわからない。
まだ釣りだして5分と経っていないうちに釣れちゃった。だいたいこの魚どうすんねん。
仕方ないのでそのまま魚を片手に宿に向かう。どうかんがえてもおかしな姿だがそこは壱岐、誰も見る者はいない。人っ子一人いない道を魚と一緒にとぼとぼと。
宿に着くと、寝ぼけた後輩が、「何してるんですか!」と慌てて写真を撮ってくれた。
調べてみるとアオハタという魚らしい。
刺身はなかなかの美味であった。
その次の夜、再度チャレンジしたが、持って行ったメタルジグをなくして30分で終了。
欲を出したらあかんね。
でも思わぬ旅の土産話になった。
また行くことがあるのだろうか、壱岐。
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