ある夏の昼下がり。お昼の仕事が終わって北陸のとある町。時間はある。急いでそのまま大阪へ帰る事もない。すこし車を山へ走らせた。あまりの暑さに少しでも涼しいところへ回避したかったことと、ちょっと試したいと思い、ロッドとリールを衣装の入ったキャリーバックに忍ばせていたのだ。
子供の頃、ルアーでブラックバスを釣っていた。
ただ、渓流は経験がない。当時、自転車で行けるところにそんな川はない。
スピナーやスプーンでイワナやヤマメを釣ってみたい、と夢みていた。
イワナもヤマメも、小学生の時に一度釣ったきり。一度試してみたかったのだ。
スピナーとスプーンを購入してみた。子供の時のことを考えると、結構な値段がするもんだ。
人気のない山道に沿って、川が流れている。
別段深い意味はなかった。本当に久しぶりに童心に返ってちょっとルアーを投げてみたいだけなのだ。昼間の仕事が夏休み中の子供たち相手だったため余計にそんな気分になったのかもしれない。
ちょっとした深みがある。ここでと、車を降りるとオロロの大群。なんの備えもなく、慌てて走って車を離れ二つっきりのルアーを持って、川べりへ。
スプーンをつけて一投目からなんだかわからないが魚がわらわら追ってくる。
二投目にはあっさりと釣れてしまった。スプーンの2倍くらいの長さの魚である。子供の頃にはモツクソと言っていた。
いわゆるアブラハヤ、タカハヤなどと言われるものである。へえー、ルアーでこんなのが釣れるんだ。
数投すると、見切られて追わなくなってくる。そこでスピナーに変えるとまた一匹。
へえー、スピナーでも釣れるんだ。
違う場所ではカワムツも釣れた。
なかなかおもしろいもんだと思い、すがすがしく山を下った。
なんだかあっさり魚が釣れてしまって拍子抜けした部分もあったが、久しぶりにルアー釣りをした充実感にも満たされた一日だった。
こんなことがあるからまた釣りに行きたくなるのだ。
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