2018年12月12日水曜日

淀川の風に吹かれて~ハゼ釣り~

ここ数年、夏から秋になると毎年、淀川にハゼ釣りに行っている。手軽な気分転換である。

もう20年程前から淀川で釣りをする光景は目にしていた。夜中に橋の上にウナギ狙いの竿が並んでいるところに遭遇したこともある。しかしまさか自分が釣りに行くことになるとは思いもよらなかった。

一番近い身近な川が大阪・淀川である。落語家になった頃からこの河川敷にはお世話になっている。仕事が全くなかった時分、ここを歩きながらネタを繰り(落語の稽古をすること)、線路の橋の下で笛の稽古をしたものだ。ある時は海外からのメディアの方に笛吹きのミュージシャンに間違われ、取材を受けたこともある。あの時はそのままミュージシャンと偽って色々しゃべってやったが、放送されたのだろうか?

またチビの送り迎えの際にはここの公園に立ち寄り、この大きな公園はうちの庭だと教え込んでいた。

お世辞にもきれいとは言えないが、かといってそれほど汚いということもない。川辺に立つとその風が快く、季節の移り変わりを教えてくれる。特に夕焼けの淀川はなんとも美しい。人気のいない河原、ビルの立ち並ぶ都会のど真ん中でこの景色を独り占めにしている感じは、豪気なものだ。

その淀川、たくさんの釣り物がいるという。ウナギ、アユ、ハゼ、スズキ、チヌ、テナガエビetc.。またシジミを掘りにたくさんの人が集まる時期もある。

ワカサギ釣りとビワマストローリングで気を良くしてしまい、自らもこの淀川に釣りに行くようになってしまった。といっても手軽なハゼ釣りである。チビと自転車で十数分で釣場に着く。サイズが小さいので多少手間がかかるが、なかなかの美味である。休日は仕事が入っているので、普段あまり遊んでやれないチビにたまには思い出ができればとも思う。

たかがハゼ釣りだが、潮やエサの付け方、仕掛けなどなかなか面白いものである。

ハゼ釣りなのでのべ竿でも十分釣れるのだが、教えていただいたちょい投げでやっている。中通しの仕掛けに、PEラインを通す。このPEラインというのが隔世の感がある。今はこいつが主流になっているらしい。今更何を言っているんだなのだが、時代は変わったなあ、と年寄りじみたことを言いたくなる。

PEラインとはポリエチレン繊維を編み込んだラインで伸びがない。伸びないということは感度がいい、すなわち水中の様子が竿に伝わる。ズルズル底を重りが這う様子が手に取るようにわかるのだ。これだけでもチビは飽きない。釣れていなくても釣りをしている感が満載である。

魚がかかった時は言わずもがな。どんな小さな魚であってもアタリが明確に竿に伝わってくる。小さすぎてエサの先だけちょっと咥えただけなのだろう、とかまでわかる。本当にそうなのかはわからないが、想像ができる。それだけで楽しい。

チビは保育園の頃からこの仕掛けでハゼを釣っているが、ひとりで適当に投げて「ビビッと来るなあ」と興奮している。妙に相手をしなくていいのでこちらとしても気楽な遊びである。

ここ数年、毎年一回づつは行くのだが、家で捌くのがめんどくさいくらいの数は大体釣れている。これでも一日ずれると全く釣れない日もあるらしい。未だにビギナーズラックは続いているようだ。

自分で釣った魚はうまい。捌いて唐揚げにし、骨は骨せんべいにして食らう。ちょっと干してもいい。釣りには着いてこないねえちゃんの方も食べるのは好きだと言う。あれだけ捌くのに時間がかかったのに食べる時は一瞬だ。私の分はまあない。味見したら終わりである。




こんな時もそんなに長く続かないと思うと、まあいい時間かなと思っている。









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