2018年12月8日土曜日

釣り回帰① ~子供の頃の釣り道具~

数年前に引っ越しをした。当然荷物の整理もしなくてはならず、実家の荷物もちょっと引っくり返してみたりした。出てきたのが昔の釣り道具。小学校から中学校くらいの頃のもの、もう四十年から前のことである。



なんであんなに夢中になれたのだろう。

本当に釣りに行けるのは年に2、3回。それなのに釣りの雑誌、本を隅から隅まで熟読し、僅かなお小遣いを握りしめ、遠くの釣具店に自転車に乗って出掛け、ガラスケースの中に鎮座する金額的に全く手の届かない舶来のリールやルアーを物欲しそうに眺め、その代わりに使いもしない安い浮きや糸、パチモンの泳がないこれまた安いルアーを買い求め、それらをプラスチックのケースにうやうやしく並べ悦に入っていた。

次はいつ釣りに行けるのだろう。もっと釣りに行けるにはどうしたらいいのか。漁師になったら毎日釣りができる。そうだ漁師になろう、本気で考えていたような気がする。

初めてのリール。買ってもらったのか、いやお年玉か小遣いで買ったのか、ワゴンに入ってた中から選びに選んだスピニングリール。釣りの本には道具はいいものを買わないと上達しないと書いてあった。でも予算もあるし、何より赤色が格好いいと色で選んだ。ラインも赤色だ。

釣りに行かないのに大事に磨き、メンテナンスばかりしていた。ドライバーで中を開け、グリスをたっぷりと注入する。グリスの匂いが心地よかった。ハンドルを右にしたり、左にしたり。今見ると、プラスのネジがなめかけている。ただハンドルを回しているだけでまだ見ぬ魚との出会いにワクワクしていた。

あの頃の記憶がよみがえる。
また、釣りにでも行けたらいいなあ。
これが釣り回帰の一つのきっかけである。

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