リール屋ピカレスクで感心し、気をよくしたので、自分でもちょっと遊んでみたいと思っていたところで、憧れだったミッチェルを手に入れた。私よりも年上、60年代から形が変わらない古いリール、なかなか思い通りにいかないところが面白い。
ベイトリールはABUのアンバサダー、スピニングリールはABUのカーディナル、ガルシアミッチェルが遠い遠い憧れだった。釣りは道具じゃない、腕だ、弘法筆を選ばずだ、と意気込んで、少ないお年玉で買ったワゴンセールのリールを大事に磨いていた40年前の自分が愛しい。
ただ、今なら手にすることができるかも。探していると、当時の価格ほどでもないが、オークション等では結構いい値段がついている。ちょっと遊ぶなら、今のリールの方が使い勝手もよさそうだ。
二の足を踏んでいたのだが、ふと見ると、ジャンクのミッチェル308。これは釣りキチ三平の持ってた508とは違うけど、まあ遊びの値段で手に入れた。
わかってはいたがなかなかの傷と汚れである。ひょっとすると水没していたのかもしれない。コインでネジを開け、蓋を取ってみると、中にも泥が入っていた。重量も軽く、ちょっとちゃちな感じだ。
ああこんなものに憧れていたのだなあ、と少しほろ苦い気分になる。行ってがっかりした観光地、同窓会で合わない方がよかったあの子、といった感じだろうか。
ただほっておいても仕方がない。時間のある時に、埃をとり、磨き、中も洗浄することに。
リールのことなどまるでわからないが、今はネットがある。部品表を見ながら分解し、パーツクリーナーなんぞというものをホームセンターで仕入れ、昔のタックルボックスの底に眠っていたグリスを取り出し、何とか奇麗に。バネ等も問題なく、ゴリゴリしながらも(これは元々の精度かな)何とか使えそうになってきた。
これはいいかもと思っていると、どうも回転がおかしい。暇にあかし、いろいろにらめっこすること1週間。#81309という部品が二つに壊れている。接着することもできない。ジ・エンドかと思いきや現代はすごい。その部品を探して購入することができるのだ。ミッチェルがすごいのか、情報がすごいのか、はたまたそれを取り揃えているお店がすごいのか。
最新の機械たちはまず修理が不可能だ。電気機器なんかはまず無理。ここのところ故障、買い替えが続き嫌になっていたところで、構造が簡単だとはいえ、数十年前のものが修理できるなんてなんと嬉しいことではないか。
すぐに部品を取り寄せ、修理完了。
予想外の出費もあったが、2ヶ月ほど、十分遊ばせてもらいました。こうなると愛着が湧く。こんな傷だらけですがかわいいもんです。
だいぶおかしくなってきてるなあ。遊びってこんなもんか。
次はこれで魚を釣りたいと、当然なりますわな。その時に思いを馳せながら、軽くなった、ハンドルを回していた。
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