いつ使うともしれないが、折角なのでいつでも使えるようにしておきたいと思った、リール”ファントムST-15”。ネットで検索した、リール屋ピカレスクというところでオーバーホールしてもらうことにした。
ブログによるとどんなメーカーのリールでも修理していただけるらしい。また持ち込みはその場でやっていただけるという。電話がつながりちょうどその日なら大丈夫だとのこと。たまたま時間も空いており、リールを持ち込んだ。
「ピカレスク」=「悪党」「ごろつき」「ならず者」という意味らしい。それだけでもなんだかそそるではないか。ただ店構えはそんなに悪そうではない。表に「低価格オーバーホール1500円~」との看板がでている。相場はよくわからないが本当の悪党ではなさそうだ。
中ではリールやその他様々な道具、に囲まれた小さな作業台でもくもくと作業している店主がいた。マスクをされており、表情はわからない。ただ淡々とリールに向かっている。早速オーバーホールに取り掛かっていただいた。後ろで見ていてもいいとおっしゃる。なにもわからないが、子供の頃はプラモデルや機械もんは好きだった。邪魔をしているとは思いながら、少し質問などをさせていただきながら後ろから眺めていた。
店主曰く、どんなものでも大抵修理するという。部品はなければつくればいいと。ただちょっとしたコツやら、いろいろあってね、と。そこが腕の見せ所なのであろう。
その頃、私の身の回りのものが壊れ、修理不能ということが続いていたので、目からうろこ。そらそうだ、人間が作ったんなら人間が直せばいい。単純なことだけれど、この消費社会の中でこんな方がいるということが嬉しい。
そしてリールを修理するだけではない、思い出まで蘇らせてくれる。私のように長く釣りから離れていた人が昔のリールを持ち込むことも多いらしい。
すっかり忘れていたが、釣りにも行かないのにネジを外して分解をしていたのだろう。リールのカップは凹んでおり、板金が必要であった。
ベアリングも新たに入れていただき、オーバーホール後、ハンドルがぐるぐる回る、リールとなった。
隣のSパラでは美味しいお好み焼きにビールをいただいた。こちらもこれぞお好み焼きという、料理もこちらの店主も素敵なお店だった。
帰りに、今のリールにも負けない飛距離が出ますよ、と。今夜はこのリールをアテにお酒を呑んだらよく回りますよ、と。
また、お店によせてもらい、ぼんやりと作業を眺めながらお話しを聴きたいなあと思いながら、とても、とても、いい気分でお店を出た。
その夜の酒は酔いが回るというより、色んな思い、思い出が頭の中を駆け巡った。いい夜が更けていった。
後日、リール屋ピカレスクさんのブログに登場していたことを知った。http://blog.livedoor.jp/heddon01jp/archives/70674797.html?_f=jp
現在、とても繁盛されているらしい。日々、いろんなリールと思い出を蘇らせているのであろう。
またの機会が楽しみであるが、リールがダメになるほどの釣りはできないのでいつになることやら。
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